【対談】自治体職員が考えるスーパーシティ -デジタル化とAPI- 株式会社チェンジ 高橋 範光氏
●自治体におけるDXとスーパーシティとは
●自治体における都市OSの役割とは
●スーパーシティに向けた自治体職員の心構えとは
●デジタル化によるデータ活用
など、自治体側の側面からスーパーシティをとらえた際の課題や解決策をご紹介しております。
自治体向けに様々なサービスを展開されている株式会社チェンジの高橋 範光氏に 「自治体職員が考えるスーパーシティ」 というテーマのもとお話を伺いました。(聞き手 株式会社ブリスコラ 末貞 慶太郎)
スーパーシティに向けて自治体がどのような意識・心構えで、どのような取り組みをしていくべきか。各側面からの悩みや課題に対し、ヒントとなるお話を伺いました。
自治体におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)と都市OS
末貞) 今まさに内閣府がスーパーシティ構想を進めていこうとしています。10領域のうち少なくとも5領域を広くカバーし、住民が参画しかつ住民目線でより良い未来社会の実現がなされるよう、ネットワークを最大限に利用する、といった要素を定義し、それらを実現している自治体をスーパーシティとして認定する、としています。自治体の方とスーパーシティにおけるサービスという点において、現状、どのようなイメージを持たれていますか?
高橋氏) 自治体のみならず企業も同様だと思うのですが、今、「デジタルトランスフォーメーション- DX」というキーワードがあります。DXの定義は、「お客様の生活が提供されるサービスによって、よりよくなる」といった考え方です。スーパーシティも自治体におけるDXと考えた場合に、「そこに住んでいる住民たちがより幸せになる、住んでいて良かったなと思われるサービスを提供できる」というのがスーパーシティの考え方だと思います。最低でも5つの領域を選択する、というのは その5領域を組み合わせて住民に対しいかに良いサービスを提供できるか、という複合的なサービス提供というのが自治体のDX、すなわちスーパーシティという考え方ではと思います。1つ1つの単独なサービスではスマートシティと変わらないのです。横串で住民に対してどのように良いサービスを提供してくのか、と考えていくことが大事なポイントだと思います。
末貞) 会津若松市は、スーパーシティ前提ではなく独自にサービスを進めてきています。代表的なのは会津若松プラスという、様々な情報をIT化して掲載し、住民は必要な情報だけを登録しその情報を得るといった掲示板として利用できるサービスをやられてらっしゃいます。LINE上のAIチャット「マッシュくん」が自動で答えてくれる「LINE de ちゃチャット問い合わせサービス」とういった最先端のサービスも面白いと思います。ただ、IT業界は作ることばかりに興味をもってしまい、サービスがでてくるところまでしか発想がないのです。本来はそれを使う側の住民や地域の方、自治体の方がどうやっていけばよいか、ということこそが一番大事だと思うのですが、そこについてはどのようにやっていくのが良いと思われますか?
高橋氏) 会津若松プラスといった会津若松市での取り組みを、「都市OS」いわゆる基盤の方で見るとAPIでデータをひっぱってきて連携させてというところに注目が集まりますし、スマートシティのアーキテクチャというのもここがメインでフォーカスされていると思います。しかし、そこに住まれている住民の方、自治体職員の人たちにとって良いサービスとは何なのか、という観点でいうと、考えたものが作れなければいくら考えても意味がない、それを作れる基盤という意味あいが、住民や自治体職員から見たときの大事な視点になってくると思います。例えばここ(図2)にある会津若松に訪問する20代女性の想定される体験、このようなユースケースでどのようなサービスを提供すればいいのか、というのを先ほどの縦割りの情報を各種組み合わせて1つのサービスにする、というところまではIT側・ベンダーも思いつくと思います。それをひとつ作って終わりなのではなく、住民や自治体職員はこういうサービスがあったらいいよね、というのをいかに早く・安く作れるかというのが、この基盤- 都市OS-のねらっている部分と考えています。
末貞) IT側からみると、大量のビッグデータをもとに分析してそれを日本全国の地域に出すという発想になってしまうのですが、地域のデータを自治体の方がより優位に使えるように、そして過去のデータというよりリアルタイムに今必要なオンデマンドなデータをすぐに見れる、という点を掛け合わせたものが地域から出てくると、地方創生のようにその地域が最先端のDXの中で出来上がってくるという流れになると思います。色々サービスができた上で、これからの自治体はどのようなことをとらえていくことで、うまくいくと思われますか?
高橋氏) リアルタイムというかオンデマンドに欲しい情報が得られる。その情報はまさに今欲しい情報で、そういうものをきちんと整備しておくというのがすごく大事になってくると思います。一方で、自治体の中にもいろいろなデータがある、そういうものをうまくオープン化してAPIでつないでだしていこう、といった話が出てくると思うのですが、現状、そのデータが紙やPDFだったりするので、APIでつないでいくということになっても、やはりそこに向けた一加工が必要になってくるわけです。過去のデータをデジタル化するということを一旦あきらめて、これからのデータをデジタル化していこうという発想でいいと思うのです。これからの業務はデジタルありきです、という考え方でデータ化していけば、様々なサービスの提供につながるのです。どこかで今までの業務との分断、ということを考えなければならないのだと思います。
サービスとコンテンツの考え方 - 自治体とITベンダーの役割分担
末貞) 上記図3 内のサービスの層まで作ってくるのがIT業界の役割だと思います。ここで地域のメリット・良さを出して行くのは、どうしたらよいでしょう?
高橋氏) サービスの領域ですが、例えばAという自治体向けのサービスを作った時に、それは「サービス」と「コンテンツ」に分かれるという発想です。コンテンツをしっかり考えて作り、APIによって共通化・共有化されているベンダー側のサービスに乗せていく。コンテンツとは「情報」で、その情報は各自治体のオリジナリティや差別化・訴求できるポイントでもあります。そして、それぞれAという自治体、Bという自治体の各ローカルデータ(図3一番下)からコンテンツに昇華していくための装置としてのサービス、というのが理想的な役割分担だと思います。自治体職員は、最初からデジタルでスマートにコンテンツをどのように作っていくか、という考え方をベースに、そのコンテンツはいかにとがっているか、いかに街をうまくアピールできるか、ということを考えていくことがポイントになると思います。
末貞) 自治体職員の発想で、このキラーコンテンツ(図3 上部)を考える場合、どのような例が考えられますか?
高橋氏) まさに、自治体が色々考えていくべきところだと思います。前述の会津若松プラスにもでてきた話ですが、その自治体に来た観光客の方々が、満足してすごくいい旅だったと言って帰って頂けることが、リピーターとして再訪してくれるという成功につながります。例えば、ご高齢の祖父母を連れて3世帯もの大所帯で観光に来てくれる、というのは自治体にとっては多くのお金を落としてくれる可能性があります。また、ベビーカーの人、足が不自由で自由に動けないという観光客も想定されます。そのとき、介護・福祉の観点の中でバリアフリーのルートを提供できるかどうか、という点が効いてくるのです。さらに、その情報を観光マップと組み合わせることで、最適な観光ルートが提供できる。この組み合わせという観点で考えることが、各自治体の差別化要素であり、自治体職員や住民の方がサービスとして考えていくべきところだと思います。
末貞) 御社のサービスとしても、ふるさとチョイスというふるさと納税に対してのコンテンツを出されてらっしゃいますが、日本でこのような自治体の部分で成功したサービスはあまりないと思います。自治体の方が、自分たち自身でこのコンテンツをやっていこう、とやる気を触発するのはどのような観点なのでしょうか?
高橋氏) 今私が所属している株式会社チェンジの子会社であるトラストバンクが、「ふるさとチョイス」というふるさと納税のポータルを提供しています。ふるさと納税という制度が全国・全自治体が利用できるサービスとしてあり、そのサービスを実際展開する際にトラストバンクがふるさと納税のポータルという形で「集客装置」を用意し、自治体はそこにどのような返礼品を載せることでふるさと納税として税金を納めてくれたり寄付をしてくれるのか、ということを考えることにフォーカスして頂く、という役割分担になっているのです。そういう意味では、スーパーシティの発想に近いかもしれないです。
自治体の方の努力や市民の方が良いコンテンツを出すことで、税収が増える。さらに返礼品が良かったことで、それ以降も継続して買って頂ける可能性もある。単純に税金としてではなく、リピート購入頂くことで街への収入へとつながってくる、というと皆さんとても前向きに取り組んでいただけます。さらに、返礼品がない中での寄付もあり、寄付をする側の意識が変わってきているのはすごく面白い傾向と思います。
さらに、リアルタイムという点はすごく大事です。例えば、首里城の火災があった際に、ニュースを見てすぐに何か寄付したいと思った時にそれがふるさと納税でできたのです。その時にそうしたいと思うピークのタイミングでそのようなサービスが提供されて初めて価値がある。やりたいと思ったときに、それがすぐに提供できるというのが、サービス側の機能として大事なのです。コンテンツ側はこれもとに、デジタルでデータを作って出していく、というすみわけになります。
末貞) すぐにオンデマンドの情報としてデータを提供する、というのがヒントになるのかもしれないですね。
高橋氏) さらに複数のサービスが組み合わさることで、より住民の方、観光客の方そして様々な方のユースケースに合わせたものをリアルタイムに提供できる というのがまさにスーパーシティの考え方と思います。
末貞) 前回のアクセンチュアさんとの対談の中で、スーパーシティのアーキテクチャについてAPIを使ったデータを取る口を色々用意しアプリケーションができていく、という思想にシフトしているという話をしました。
昨今、APIについてよく耳にするようになってきたと思います。サービスを作る上で、様々なデータを様々な企業が手を組んでやっていける、オープンイノベーションに相応しいアーキテクチャでもあります。企業の社内システムもAPIを使っている企業が多いのですが、様々な目的に応じたAPIを用意することで、サービスを作る側はそのAPIを選んで作る、という設計ができるよう業界全体で動いていこうとしています。フロントとなるポータルやWEB側だけを用意すればサービスがすぐ立ち上げられる、というメリットが一番大きいと思います。このような取組みのメリットについて、何か感じられることはありますか?
高橋氏) おそらく二つの側面があると思います。一つは1つのデジタルデータを作っておくことによって、様々なサービスに波及させることができるという点。マスタのデータが1つあることで、APIを使ってそのデータを複数のサービスに使いわけることができますし、データの複製をつくらなくてよいのでメンテナンスしやすいというメリットもあります。もう一つは、バックエンドを持たずフロント側だけで考えられるということで、自治体職員の方たちが必要な時にサービス化をすることができるという点です。
まだ、APIとコンテンツの間にギャップがあるというのが現状でしょう。ただ、最近ではコードを書かなくてもポータルを作れるといった、ノーコード開発が流行ってきています。裏でAPIをつないでおけばその中でサービスができる、という形ができれば、自治体の中でもフロントサイドのサービスを作っていく人たちがどんどん増えていくでしょう。
トラストバンクが「Logoフォーム」という自治体向けの電子申請フォームのサービスを提供しています。例えば自治体が個別に給付金に対して特別なサービス提供をしたい、ということに対してそのための受付窓口をマイナンバーと連携した形でスムーズに提供する、それをスムーズに作れるようなノーコード開発のサービスが出てくることで、さらにつながりが良くなっていくのではないでしょうか。
末貞) API自体にも、サービス側が欲しがるAPIをもとに作っていくやり方と、データありきでそれに対して出していくAPI、と様々なパターンがあります。内閣府のこれからのプロジェクトとして、どこにどのAPIがあるかを示す日本全国で使えるAPIカタログのようなものを作っていく、という流れがあります。
高橋氏) まさにAPIカタログのようなものがないと、探しにいくことに手間がかかりまた作れない、という話になっていくので、APIを束ねていくということが大事になってくるのかと思います。
末貞) 少し観点が変わりますが、やはりデータ漏洩という点に触れなくてはなりません。
APIを守る層がAPIマネジメント(図3赤帯部分)となります。きちんと守られるのか、許可の取り方をどうするのか、オプトイン/オプトアウトという考え方があります。IT業界としても住民のデータをしっかりと守る仕組みを作り、よりデータを広範囲に使っていただけるようにしていくことが大事だと思います。このアーキテクチャが広がっていくことが、高橋さんがおっしゃっている自治体の方がより良いサービスを増やしていくというポイントになると思います。
高橋氏) やはりそのデータが使われるという話になると、セキュリティの議論はつきものです。
インタフェースがなければ漏洩しないかといえばそうではない。一方、オプトインの議論は世界中にあり、使うことの許可を得たからそのデータが使えると、いうことなのですが裏を返せば、良いサービスだったら使ってくださいという流れになるのです。Google MAPの例でいえば、自分がどの場所にいるか知りたいからその位置をマップ上で開く、ということは自ずとオプトインしているわけです。このように、いかにオプトインしても良いよ、と思えるサービスを自治体職員とベンダー側で一緒に考えていくことが大事だと思います。そしてオプトイン/オプトアウトという二項対立の話ではなく、緩いオプトインといったオプトインにレベルができても良いのではと思います。緩く範囲を定義して、その中だったら公開してもいい、といったコミュニティの中やクローズなネットワークの中におけるオープン化のようなことが、成功のポイントなのではと思います。
地域から広がるべきスーパーシティ - その中での課題と解決に向けた自治体の心構えとは
末貞) 先日発表されていたSmartCityXといった大企業が出してくるスマートシティと、自治体がキラーコンテンツを考えてやっていくパターンと両方があってよいと思うのですが、地方創生といった今までの流れもあり地域のパワーとして上がっていく方が、このスーパーシティ化は早いと思っています。地域、自治体の方が考えたコンテンツをIT業界が支える仕組みを作っていくのが良いのではないでしょうか。
自治体の方に対して色々なサービスがスーパーシティということで出てくるのですが、そこに対しての自治体の心構えなど何かお考えはございますか?
高橋氏) 例えばITベンダーや大企業がスーパーシティかくあるべしといった形で提示したもので進める話になると、結局、今までのITサービスと変わらないのではと思います。そうではなくて、ベンダー側はサービスとしていかに使いやすいサービスを提供するか、自治体職員の方はいかに良いコンテンツを提供しこのサービスを使ってもらえるようにするか、といった対等関係の中で役割分担することがうまくいく秘訣なのではと思います。とはいえこれまでのものを変えることは大変で、自治体職員の方からすればセキュリティは大丈夫なのかという不安はぬぐえないでしょう。ただ、セキュリティと利便性はトレードオフなので、良い利便性は取れない。セキュリティの話は一旦置いて、APIマネジメントといったアクティブな考え方でいきましょう、とマインドを変えていくことも大事だと思います。
もうひとつ、デジタルデバイドの問題があります。デジタルもあればアナログもある、といったダブルスタンダードでは、スーパーシティのアーキテクチャは活きてこないのです。デジタル推進支援員といった人たちがサポートする制度もできつつあるので、デジタルデバイドに対しても意識を変えていく必要があると思います。ダブルスタンダードにするのではなく、デジタルをベースにした考えでどのようにしていくのか、ということに自治体職員の方が時間と労力をさいていくことでうまくいくのではと思います。
末貞) DX - デジタルトランスフォーメーションを進めていく国として、過去のものをデジタル化するのではなく、今これから必要なものをどうしていくかを考えてデータを活用していく、ということがデジタル庁の方向性とも一致していくと思います。自治体の方がキラーコンテンツを考え進めていくことが、日本全体を活性化していく話にもなるのでは、と思いました。
高橋氏) 確かにデジタル庁といった中央省庁は、良い市民サービスを考えたときに市民からは一番遠い存在なのです。自治体側に良いサービス、良いコンテンツがあって、そのためのインフラをデジタル庁でも検討をする、といった双方での検討がうまく組み合わさることを考えていかなければならないのではと思います。
末貞) わたしと高橋さんはOGCというコンソーシアムで一緒に理事を拝命し活動させて頂いているのですが、スーパーシティに関連するアーキテクチャやビジネスが進んでいく上で、地域の様々な業種・企業の方々と触れる機会があります。オープンガバメント推進協議会もOGCと組んでいますし、また地域の企業と組んでいくことが地方創生・地域活性化につながると思っています。こういった企業の方々とどのような形で組んでいくのが良いか、何かアイデアはございますか?
高橋氏) 東京にいるからこそ得られる情報や発信できるものがある一方で、それが全国約1700ある自治体全てに良いサービスを提供できるか、というとそうではなく、そのサービスの担い手としての各自治体の企業の方々がいらっしゃるからこそ実現できることと思います。ただ、いきなり各地域の企業の方々と連携することは難しいので、その間にオープンガバメント推進協議会といった積極的にやっていこうとされている方々に間に入って頂くことで、地元企業の方と接しサービスとして定着させその基盤を使ってより良いサービスを作る、といったサイクルを増やしていければと思います。
末貞) ありがとうございます。高橋さんが所属されている株式会社チェンジはいろいろな教育のコンテンツを提供されており、様々なビジネスで裾野を広げてらっしゃる企業です。わが社が主軸としているAPI関連事業をこれから進めていく上で、この先の自治体の方々にとって良いお話を聞かせて頂くことができました。ありがとうございました。
高橋 範光 氏 (写真 右)
株式会社チェンジ 執行役員 New-ITユニット担当
(一社)オープンガバメント・コンソーシアム デジタル人材育成分科会 理事
1999年 アンダーセンコンサルティング(現 アクセンチュア)入社。2005年 株式会社チェンジ入社。
情報通信、インフラ、地方自治体、製造、ハイテク製造、学校法人、システムインテグレータ業等で、BPR、CRM、グローバルWEBサイト構築、WEBサイトログ解析、WEBマーケティング等のプロジェクト経験が豊富。ビッグデータ解析、IoT、機械学習、ディープラーニング、AI、データサイエンス革新等に関わるプロジェクトを手掛ける。東京工業大学大学院在学時よりソフトウエア部品化がライフワーク。著書に「道具としてのビッグデータ」(2015 日本実業出版社)。
末貞 慶太郎 (写真 左)
株式会社ブリスコラ 代表取締役
(一社)オープンガバメント・コンソーシアム 都市OS分科会 理事
外資金融機関を経て、2000年よりIT業界にて、海外のハードウェアやEAIソフトウェアを販売。2008年より株式会社インターネットイニシアティブの事業企画担当として、松江のPUE1.1のコンテナデータセンターなど多数のプロジェクト立ち上げを担当。2010年6月株式会社ブリスコラを起業し、クラウドにフォーカスした戦略コンサルティングやIoTプラットフォームサービスの提供を開始。2015年日本で初めてAPIマネジメントのOSSツール「Kong」をベースにしたサブスクリプションサービスを展開。また米国Kong社(旧Mashape社)と世界初の代理店契約を締結。APIを活用した先進的なシステム導入実績を重ね現在に至る。